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スマイル! 笑顔と出会った自転車地球一周157カ国、155.502km
2017年07月21日 Life Style

『スマイル! 笑顔と出会った自転車地球一周157カ国、155.502km』を読みました。

おはようございます!ブックキュレーターの永田です。
先日、僕が代表を務める団体『粋プロジェクト』のsocialbarでもお世話になっているイベントスペース、SOOO dramatic さんでとても面白そうなトークイベントが開催していたので、ちょっと覗いてきました。
トークイベントのタイトルは『東東京バー「人力チャレンジャーに聞く!壮絶リアルな旅の話」』、もうタイトルだけでワクワクしてしまうのですが実際、凄く惹きつけられるモノがありました。トークの内容は自転車で地球一周157カ国を走ったお話でしたが、とても刺激的でイベント終了後に彼の書籍『スマイル! 笑顔と出会った自転車地球一周157カ国、155.502km』を購入してしまいました。
リアルに勝るストーリーは無い、改めて感じることが出来る本でした。

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スマイル! 笑顔と出会った自転車地球一周157カ国、155.502km/書籍情報

  • 著者:小口 良平
  • 発売日:2017/5/18
  • 出版社:河出書房新社
  • ISBN-10: 4309025730
  • ISBN-13: 978-4309025735

スマイル! 笑顔と出会った自転車地球一周157カ国、155.502km/書籍概要

2007年3月から2016年までの約8年半、自転車で地球を一周する旅に出かけ、157カ国をまわり、そこで出会った人たちとの出来事やトラブルがありのままに、そしてリアルに書き綴られています。

事故、強盗、そして熱病、道中あらゆるトラブルが彼を襲い、その度に無償で助けの手をさしのべてくれた暖かい人たちとの出会い。文字通り『有り難い』というコトが尊いコトだと彼に気づきをくれる。そんな生々しいストーリーがどんな綺麗な星空の話よりも、どんなに素敵なビーチの話よりも、ググッと心の奥に突き刺さります。

スマイル! 笑顔と出会った自転車地球一周157カ国、155.502km/INDEX

  • 第1章 地球一周旅への助走
  • 第2章 アジア・オセアニア編
  • 第3章 ヨーロッパ・アフリカ編
  • 第4章 南北アメリカ編
  • 第5章 夢の持つ魔法の力

スマイル! 笑顔と出会った自転車地球一周157カ国、155.502km/気になったところPICK UP

本書籍の構成で、地球を一周する旅のお話は第2章〜第4章。本当に極限状態の出来事が書かれているのですが、その中でも人とのこころ暖まる出会いをいくつか紹介したいと思います。

爆発した僕の怒りを鎮めてくれた人の温もり

このお話は腸チフスで入院したタイを後にして国境を超えて、カンボジアを北上中の時のことでした。

バンコクで腸チフスにかかって入院したときと同じだ。まだ完治していなかったか・・・。寒気を通り越して、徐々に末端神経がしびれを起こし始める。

しばらくそんな体調不良が続いたある日の夜。眠りにつこうとしたまさにその瞬間、テントの外から光が突き刺された。

すぐに目を覚ました僕の耳に飛び込んできたのは男性の声だった。

その日はたまたまテント設営の許可を得ることが出来ないまま、熱でうなされていることもあり、学校の片隅にテント貼り彼は寝込んでいました。そこへテントを撤去して欲しいと一悶着あり、学校関係者から警察まで出てくる始末。体力、精神力の限界を超えた彼は、ついに周囲に激しくあたりちらしてしまいました。

散々彼らを罵倒した彼に対して、撤去を命じたひとりが彼に5ドルを差し出しました。これでホテルに泊まれとのことだったようです。カンボジアの平均給与は30ドル。激しくあたりちらした彼に何故そこまで優しくなれるのか?彼の本を読んでいて人が持つ優しさが伝わってきました。

日本人が忘れてしまった心、困った時はお互い様の心は世界中どこへ行ってもあるんだなぁと思いました。

この後、彼はもっと素晴らしい人の優しさを体験をするのですが・・・、詳しくは本を読んでください(笑)

日本人がつくった理想郷が地球の裏側にあった

旅の終盤の南米大陸での出来事はタイトルの通り、日本から一番遠い場所に僕も知らなかった日本人たちの理想郷があることに驚きました。

アルゼンチンの最南端に到達した後、ウルグアイ、パラグアイを経て、世界最大の日系人社会のあるブラジルへと向かった。

ここに、僕の生まれ故郷、長野の人たちが移り住んで、1935年に建設した村がある。

それが、「弓場農場」だ。

・・・中略・・・

弓場農場では、生活の9割を自給自足でまかなっている。使われている言語は日本語。ここで生まれ育った人はもちろんだが、旅人も、労働をすることで食べ物と寝床を得ることができるため、日本や世界各国の旅人が常に滞在している。

ブラジルは日系人が多いとは知っていましたが、こんな場所があったとは驚きです。

使われている言語が日本語とは。。。

さらに弓場農場は旅人にとって暮らしやすいようで、中にはそこに定住してしまう人もいるようです。

こうして久しぶりに日本の文化に触れたことで、僕は故郷に思いを馳せる時間が多くなった。

生まれ故郷の良さは、外を見ないとわからない。僕も大学生になって上京した時に、長野の山の素晴らしさがわかったし、世界に出てから長野のりんごのおいしさを身にしみて感じた。

大なり小なり外に出て気がつくことは僕にもあります。でも紆余曲折、地球一周の旅もいよいよ終盤。ゴールを目の前にした彼だからこそ感じることがあるかもしれない。当たり前になっている毎日の出来事が、本当はとても有り難いことだと気がつけること、それは本当に尊いコトなんだなぁとこの本を読んでいて感じました。

『「いまあるものへの感謝」を忘れそうになった時、僕は再びここを訪れようと思う。』

この話の最後に綴られていた一文に、彼の気持ちが強く込められているようで心に残りました。

スマイル! 笑顔と出会った自転車地球一周157カ国、155.502kmを読んでみて。

『スマイル! 笑顔と出会った自転車地球一周157カ国、155.502km』いかがでしたでしょうか?

比べるのも失礼ですが、僕も東海道を始め江戸の街道をいくつかジョギングで走破しました。その時に僕が感じたことがいくつか書かれていて大変共感しました。当たり前になってしまった、本当はとても有り難いこと。特に日本はインフラがとても素晴らしいと思うのです。水分の補給はこの手のサバイバルにとっては、すぐさま命に関わることとなってしまいます。東海道はちょっと走れば自販機があり、水分を補給することが出来ました。どこまで行っても道がきれいでこの道はこの先どうなってしまうんだろう?といった不安は一切ありませんでした。日本人なら誰でも当たり前に享受できる恩恵です。以前このブログでも紹介しましたが、それは徳川家康が残した偉大な功績のひとつだと思っています。

海外を走ろう!と考えたこともありましたが、水分の補給を考えると、とてもじゃないけどチャレンジ出来ないです。

彼は50度を超える炎天下の砂漠を越え、-30度を下回る大寒波の中を155.502kmも走り抜きました。それは想像を絶する精神力が必用だと容易に想像出来ます。この本を読んでいると、旅の中で彼がどんどん成長していったのがよくわかりました。読み進めるうちに、共感から自己投影へと代わりとてもワクワクしました。

彼がもし1カ国目に大寒波-30度の中を走ることになったら果たして地球一周出来たのか?おそらく無理だったのではないかな?と思います。走るルートや選ぶ国の順番すべての偶然が重なって彼は地球一周を成し遂げることが出来たのだと思います。その意味で彼はとても運が良かったと思います。もちろんその『運』も彼が行動を起こしたからこそ掴めたのでしょう。

何故彼はこんな途方もない冒険をしようと思ったのか?

さらに思うことなら誰でも出来る。実際に『えいっ!やっちゃおう☆』と行動に移すことになる強い動機は何だったんだろうか?この本には旅の動機、衝動、情熱、についてもキチンと書かれています。

何かやりたいことがあるけど、一歩を踏み出すことを迷っている人がいたら是非オススメしたい一冊です。

最後に彼のトークイベントのなかで印象的な話を紹介します。

「子供の頃、一番近くにある外国は月だと思っていた。だって、いつも見える場所にあるじゃないですか(笑」

彼の夢のひとつは月を自転車で走ることだそうです。

月でのサイクリング、機会があったら是非お話を聞かせていただきたいです。

それではまた。

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