文化・芸術・クリエイティブ実験室 / 上野・浅草 / WEB/IT/インバウンド
おはようございます。ブックキュレーターの永田です。
最近良く耳にするようになったIoT(Internet of Things)。僕の地元は東京の下町。
小さなころからモノ作りをしている町工場を見て育ちました。2015年にオフィスを上野に移転したのがきっかけで、IoTにに対する興味がさらに増してきました。モノとインターネットが繋がる素敵な未来についてもっと知りたいと思い『「ものづくり」経営戦略』を購入しました。
本来優秀なはずの日本人が長引く不況で海外企業に太刀打ちできなくなりつつあります。世界の時価総額ランキングを見てもトップ50に1社も入っていません。
本書ではアップルやIBM、ソニーを例に海外の伸びている企業と日本企業を比較し、グローバル時代に目指すべき経営者像を戦略とともに丁寧に解説しています。「ジャパン アズ ナンバーワン」から「ジャパニーズ アズ ナンバーワン」へ、日本人らしさ、きめ細かさを強みとしていくべきだと本書では結論付けています。
グローバルに活躍している経営者は2種類います。「自分の身を世界において活躍している人」と「事業をグローバルに向けて強化している人」です。本書では現在の日本企業には後者が多いが、これからのグローバル化する世界の中では前者を目指すべきと述べています。
IoT時代のものづくりではフィジカルの部分であるハードウェア、ネットに接続するコネクティビティ、そしてサービスを実現するためのスマートコンポーネント、それらがすべて一つの製品に集約されたものが求められます。その典型的なプロダクトがiPhoneです。
商品はオンリーワンの技術や、スケールメリットを生かして大量生産すれば市場をリードできる時代ではなくなりました。
新しいものが5000万人に普及するのに、ラジオは40年、テレビは13年、パソコン16年かかりましたが、iPhoneは3年、iPadは1.5年で普及しました。
このことからも重要なのは技術やスケールではなく、ニーズに応えるスピードだということが分かります。
日本の企業がこれまで世界で実施してきた事業モデルは大きく2つあります。
ひとつは海外に営業拠点を持ちサービスを販売するモデル、もう一つは、市場となる国にマーケティング機能から開発拠点まで、あらゆる機能を各地に置き、それぞれに本社を持つモデルです。
インターネットの普及で最適な商品やサービスを世界中に提供出来るようになり、各地に本社機能を用意しなくて良くなり、これらのモデルの限界が見えてきました。アップルの様に世界中にそのまま販売可能なユニバーサル・プロダクトを開発することがグローバルビジネスには必要となってきています。グローバルビジネスは中小企業にとっても避けられない大きな課題となります。
たとえば洗濯機は、汚れたものがきれいになって、洗ったものが痛まなくて、すぐに乾けば機能として十分なはずです。他より少し洗う時間が短い、他より少しよく汚れが落ちる、という違いはいまでは競争際になりません。
ここで述べているのは、消費者はそこまで機能にこだわっていないということです。機能の差別化は消費者にとって魅力にはなりません。こだわるところを、ハード(もの)からソフトへ変えていくべきだと本書では述べています。もちろんその中にはIoTの考えも含まれるでしょう。
IBMの戦略を例に、ものを売る会社からサービス提供会社へ変わるプロセスを紹介しています。
日本人はリバース・エンジニアリング(分解したりする技術)に長けています。その為、ものをコピーし、改良してよりいいものを売ることで世界に市民権を得てきました。今ではリバース・エンジニアリングはハードウェアだけでなくソフトウェアの分野でも可能です。
技術移転の分野ではますますスピードが速くなってきています。こうした状況を活かせば、日本人らしさ、きめ細かさが充分活きてくるはずです。
まず、タイトルをよく読まずに買ってしまいました。IoTの事例が多く書かれているだろうと思いページをめくるも、経営戦略的な話が次から次へ繰り広げられ最初に期待した情報を得ることが出来ませんでした。ただ、中身は面白く大変勉強になったと思っています。特に本書でも「グローバルビジネスは中小企業にとっても避けられない大きな課題」と述べているように、僕の事業の今後の展望に役立つ情報がわかりやすく書いてありました。
おはようございます!カルチャーキュレーターの永田です。 みなさん『不潔の歴史』と聞いてどんなことを思い浮かべますか...
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