文化・芸術・クリエイティブ実験室 / 上野・浅草 / WEB/IT/インバウンド

2017年02月15日 Life Style

『僕が旅に出る理由』を読みました。

おはようございます!ブックキュレーターの永田です。
実は僕は飛行機が苦手で長らく飛行機に乗っていませんでした。一方でオフィスがある上野や、近隣の浅草にはバックパッカーも多く、彼らとコミュニケーションする機会も多かったことあり、激しく海外に出ることに憧れを持つようになりました。
たまたま、ある画材のプロモーションがきっかけで、訪日外国人と地元日本人の交流イベントをゲストハウスで定期的に開催するようになりました。
そうした事情から訪日外国人向け、いわゆるインバウンドの分野での相談も増えてきたこともあり、かなり前になりますが『僕が旅に出る理由』を読みました。

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書籍情報

  • 僕が旅に出る理由
  • ブランド:日本ドリームプロジェクト
  • ISBN-10: 4902097494
  • ISBN-13: 978-4902097498
  • 発売日:2012/02
  • 出版社: いろは出版

書籍概要

世界に旅に出た100人の大学生の話をまとめ、100人の大学生のうち15人の海外旅行ストーリをピックアップした書籍です。

そして、15人のストーリーが本書籍のメインコンテンツですが、その他にも100人の大学生からのアンケートなど、バックパックを考えている人にとても役に立つことが掲載されています。

INDEX

  • 15/100 人の新しい自分への旅
  • 百聞は一見にしかずPhoto
  • 旅する大学生 100人と作った「旅のしおり」
  • 旅する大学生 100人のみやげ話
  • おわりにのはじまりに

気になったところPICK UP

本書籍のメインは『15/100 人の新しい自分への旅』です。15人の旅のお話をPICK UPして掲載しています。どの話も面白いのですが、ここではひとつの物語をピックアップします。

冷たい自分の心が少し溶けていった旅/イスラエル

石を持ったパレスチナ人と銃を持ったイスラエル人

バックパック一つで世界を旅する

友達と飲んで、騒いで、女の子とデートして、おいしいものを食べて、寝たいときだけ寝る。
自分が楽しいと感じることだけをしていた俺の大学生活は、ハッピーな方だと思う。
でも、エネルギを使い果たせてなかった。

・・・中略・・・

そんなある日偶然、立ち読みした本から「バックパッカー」という言葉を知った。

冒頭には旅に出るきっかけが書いてあります。うん、うん、凄くわかる。。
多くの大学生が感じるであろう、何気ない日常の退屈と、まぁそれも悪くない、といった普通に暮らすこの物語の主人公。
とある本がきっかけで海外へ行きたい!行ってみんなにすげーって言ってもらいたい!と言う承認欲求から海外へ旅立つ。
この大学生の極めて普通の心理(承認欲求)と、ちょっと人より優れた行動力が物語の扉を開きます。

イスラエルとパレスチナ

キリスト教・イスラム教・ユダヤ教、3つの宗教の聖地エルサレムがある国。

・・・中略・・・

ヘブロンというイスラエルの領土内にあるパレスチナ自治区を訪れた俺は、インティファーダ(とパレスチナ人は呼んでいた。パレスチナ人の民間によるイスラエルへの抵抗勢力)とイスラエル兵がもめている所に偶然遭遇してしまった。

友達に凄いねと言って欲しい承認欲求の為に海外に行きはじめて8か国目のイスラエルでの話。僕は『イスラエルとパレスチナ』はテレビやネットで見たイメージしかないのですが、民族・宗教がとても複雑で少し(治安的に)怖いイメージを持っています。これは、一般的な日本人のイメージと変わらないと思いますが・・・、なんでまたこの地域を選んだんだろう?と、承認欲求の行きついた果てだったのでしょうか?読んでいて嫌な予感しかしませんでした。

大きな銃と小さな石

(なんだこれ?なんだ?)
・・・違和感。
直感的に感じた違和感が、俺の目を離そうとしない。

・・・中略・・・

イスラエル兵が握っていたのは大きな銃。
でも、パレスチナ人が握っていたのは、拳ほどの小さな石だけだった。

この後、彼はイスラエル兵に現場を離れるように怒られ、その場を後にするのですが、翌日に二人のパレスチナ人が射殺されたことを知ります。この瞬間彼は、平和な日本でゆったり過ごしてきた価値感が一気に変わります。「遠い世界で起きている出来事」が急に自分事になってしまったのです。

彼は承認欲求を満たすために海外へ旅行していたのですが、このことがきっかけで、大きく彼の内面を変えていくことになります。

本書籍には、彼の物語から旅の話が始まるのでピックアップしましたが、また別の15人の大学生の話お話も掲載されています。

僕が旅に出る理由を読んでみて。

実体験からのお話なので大学生たちの想いがもの凄く伝わってくる熱い本でした。読んでいて途中何度も目頭が熱くなりました。

大学生の体験談ではありますが、是非30代、40代の方たち、社会人になって自分の立ち位置、すべきことがわかって来た方たちに読んでもらいたい書籍です。誰もが通り過ぎてきたあの時代の経験とエネルギー、ちゃんと使ってこれたかな?もう一度見直すとてもいい機会になる書籍でした。

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