文化・芸術・クリエイティブ実験室 / 上野・浅草 / WEB/IT/インバウンド
こんばんは!ブックキュレーターの永田です。
みなさんは、人と違った特別な経験、体験をしたことはありますか?もしくは、何かで成功を収めている友人・知人がまわりにいますか?
そのような特別な経験をしている人は、『サードドア』を開き、その先の世界へ進めたから、チャンスをつかむことが出来たのかもしれません。
サードドアとは・・・
一つ目の扉には、99%の人間が並んでいます。中に入れないかもしれないのに・・・、でも、多くの人がこれにあたります。二つ目の扉はVIP専用の扉。
そして、いつもそこにあるのに誰も気が付いていない三つ目の扉があります。それがサードドアです。
この本の内容は作者が世界で大成功を収めた人たちにインタビューをしていきます。おっ、面白そうだな?世界のVIPの成功体験が聞けるんだ!?三つ目の扉の開け方を教えてくれる啓蒙本かな?と思って買ったのですが、どうやらそういう本ではありませんでした。
人生、ビジネス、成功。
どれもナイトクラブみたいなものだ。
つねに3つの入り口が用意されている。ファーストドア:正面入り口だ。
長い行列が弧を描いて続き、
入れるかどうか気をもみながら、
99%の人がそこに並ぶ。セカンドドア:VIP専用入り口だ。
億万長者、セレブ、名家に生まれた人だけが利用できる。
それから、いつだってそこにあるのに、
誰も教えてくれないドアがある。
サードドアだ。行列から飛び出し、裏道を駆け抜け、
何百回もノックして窓を乗り越え、
キッチンをこっそり通り抜けたその先に─―必ずある。ビル・ゲイツが
初めてソフトウェアを販売できたのも、
スティーヴン・スピルバーグが
ハリウッドで史上最年少の監督になれたのも、
みんな、サードドアをこじ開けたからなんだ。
サードドアの物語はこのような書き出しではじまります。
作者のアレックス・バナヤンは大学生。物語が始まった時にはまだ、どこにでもいる普通の青年でした。もちろん、医大に通うくらいの人なので「優秀な青年」だったかもしれません。ただ、自分が何者か?世界の成功者はどうやって成功したんだろう?とか、自問しながら毎日を過ごす、日本で言えば意識高い系の大学生でしょうか?
『レディー・ガガは、ニューヨークでウェイトレスをしながら、どうやってレコード契約にこぎつけたのだろうか。』『スティーブン・スピルバーグは、どうやって映画監督の頂点に立ったのか?』『ビル・ゲイツは?』っと妄想はどんどんと膨らんでいきます。まぁ、ここまでは、誰でも想像、経験しうることだと思います。
が、彼は行動に起こします!!
彼らにインタビューをして、その経験をまとめて、同世代の若者たちの道しるべとなるような本を出だそうと決めたのです。
行動には当然、資金が必要になります。彼のその資金を得るための行動がちょっと普通とズレていて、面白い、この人ちょっとどうなんだろう?(笑)となって、物語に引き込まれます。
そうなんです!! これは啓蒙本でも無ければ、成功者が若者にメッセージを与える本でもありません。(少なくとも僕にはそう感じました。)
彼の行動がとても素晴らしく、エキサイティングで、勇気と感動をくれる、ひとつの物語なのです。
書籍の通販サイトで評価が低いコメントも若干ありますが、啓蒙本だと思って買われた方が多いです。が、総合的にはとても高いです。(永田調べ)
物語はもちろんハッピーエンド、この本の出版が叶います。
この本のインタビューで誰とのインタビューが面白かったか一人だけピックアップするのであれば、クインシー・ジョーンズとの対面です。
クインシーは、マイケル・ジャクソンをプロデュースした人としても、スリラーをヒットさせた人としても超有名で僕にとっても、子供の頃から憧れの人です。
彼はクインシーにたどり着くまでに、多くの失敗をしてきています。
ビル・ゲイツ、スティーブン・スピルバーグ、マーク・ザッカ―バーク、シュガー・レイ、トニー・シェイ、これまで何度もスーパ成功者へインタビューを挑んできました。そして、多くの失敗や学びを繰り返してきました。
クインシーにたどり着くまでに、費やした日々は実に5年にもなっていました。
これまでの5年間、僕はずっと上ばかりを向いてきた。世界一の金持ち、最も成功した投資家、最も有名な映画監督など、上ばかりを見上げてきたのだ。
でも僕は今、無性に視野を横に広げたくなってきた。世界の隅々まで旅をし、探求して、まだ知らぬ魔法を吸収したい。
クインシーは新たな欲求をインストールしてくれた。
実に5年の日を、考えられないほどの成功者に挑み続けた結果の答えは、重くもあり、実に爽やかでもありました。
「今夜あなたは、僕が学べるとは思いもしなかったことを教えてくれました」
「それは何かな?」と彼は聞いた。
「完全な人間になること、この世界を知る一人の人間になることです。」
「すばらしいな、そのとおりだよ。ナット・キング・コールはいつも私にこう言っていた。『クインシー、君の音楽には人間としての君がそのまま反映される』とね」
「それは世界を回って、得られるものですよね」
「そうじゃない」と言ってクインシーは、僕の意見をこう正した。
「それは、失敗によって得られるものだ。」
この時の出会い、会話が後のレディー・ガガとの出会いにつながり、アレックス(ここまで読むともう他人と思えなくなってきて、作者とは書きにくくなるくらい感情移入してしまいましたw)が、彼女を救う一役を担う展開になったのだと感じました。
『サードドア』いかがでしたでしょうか?
この本を読んで、私がK2を創業した頃の「熱」や「夢」を思い出し、いろいろな思いがこみ上げてきました。
僕が世界初の漫画SNS Acomi を開発して、リリースした時のワクワク。当時世界最大級のSNSからオファーをもらってドキドキしたこと。
地元墨田区に、東京スカイツリーが出来ると決まって始めた、スカイコミュプロジェクトと地域活動。
常にチャレンジの連続でした。
クインシーが言ったように、失敗で得られるものは大きいと思います。
日々の忙しさにかまけて、ここ数年チャレンジすることを怠っていたなぁと改めて考えました。来年はオリンピックイヤーだし、気持ちの上がる新たなチャレンジしてみようかな?と感じてしまいました。
この期におよんで、また沢山チャレンジして沢山失敗みよう!!
サードドアは、そんな気持ちにさせてくれる本でした。
それでは、今日はこの辺で。
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